間合の事

本部兵法塾でお借りしているスポーツセンターは、板の間での稽古になりますが、柿生支部にてお借りしております柿生武道館はビニール畳が敷かれております。
坐法では少々摩擦で足が止まってしまいますが、特に坐法の間合を考える上では、非常に重宝致します。

天心流兵法の作法では間合いを写真の如くに「心の間」、「真の間」、「行の間」、「草の間」と四段階に分けております。


(「天心流兵法初学集」より)

・心の真
 心の真は箱御膳を一つ置いた程の間合とされております。
これは本当に親しい間柄であったり、何か秘め事を話すような間合です。

・真(信)の間
これも親しき間の間合いとなります。
尺にして四尺程(120cm)とされております。

・行の間
これがもっとも用いられる通常の間合いです。
尺にして五尺半程(165cm)とされております。
これは普通に出て抜いても刀は届きません。

・草の間
 これは六尺(180sm)以上の間合いです。


勢法(かた)はこの間合を順守して行いますので、測る事もなく正しい間合に坐する必要があります。
(もっとも間合は生き物ですので、多少伸び縮みは致します)
床に対坐する生活が絶えて久しく、門人はまずこの間合を正しくとる事が中々難しいものです。
前提となる間合が崩れてしまうと、勢法も崩れてしまいます。
応用としては、間合の伸び縮みにも対応出来なければなりませんが、それはあくまでも応用であって、はじめから間合が定まらないままでは型破りではなく型なしになってしまいます。

このような間合の心得は、武芸というよりも武家礼法に因んだものとされており、勢法と併せて先代より天心師家が厳しく指導を受けたものだそうです。
しかし武家礼法の書を見ましても、間合の法に言及したものを見つける事が出来ません。

もっとも普段の席でここまで厳格な間合を考える必要はなく、やはり公儀の席で重視されるべきものなのかとは思います。
いずれにせよこういった武家礼法を勢法の中に根付き、傳えられているというのは、大変興味深く、また貴重な事ではないかと思われます。

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