天心流では斜めに切り下ろす太刀筋を袈裟懸け(けさがけ)と呼びます。
また一般に武術界隈ではこの斜めの太刀筋を袈裟斬り(袈裟切り)と呼びます。
一般用語としては袈裟懸け(掛け)と言うと、肩から斜めに物を掛けるたすき掛けと同じ意味になります。
これらいずれも僧侶の衣装の袈裟に由来します。
日本語では日常語の中にも多くの仏教用語が取り入れられています。
旦那さん
因縁つける
縁起でもない
隠密
四苦八苦
油断
などなど。
大げさなどもこの袈裟から来ています。
そして武術も仏教から多くの影響を受けています。
ちなみに「坊主憎けりゃ、袈裟まで憎い」という用語もある袈裟ですが、江戸時代の処刑場にてこの袈裟を放り投げて罪人にこれが掛かると、罪が許されるとなるという慣習がありました。
袈裟懸けが斜めに切り下ろすことに対して、斜めに切り上げることを天心流では袈裟外しと呼びます。
袈裟を外すので切り上げという次第です。