江戸柳生天心流兵法

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NPO法人設立ならびに商標登録に関するご報告
http://tenshinryu.blog.fc2.com/blog-entry-224.html

「江戸柳生天心流兵法」商標登録について
http://tenshinryu.blog.fc2.com/blog-entry-226.html

今では一定の知名度を獲得している天心流ですが、今から17年前、2008年に私(筆者)が入門した頃は、まだ誰も知らない無名の流儀でした。
一部の古武術界隈では、天心先生の多年にわたる自由奔放な振る舞いと言動で悪名高かった(ちなみに私が初めてお会いする古流界隈の方に最初に聞くのが、天心先生とお会いしたことがあるかどうかです。なぜならお会いしたことがある人は必ず天心先生に失礼なことを言われたり、されたりされているので、まず深く謝罪をする必要があるからです)のですが、今のようにネットも成熟していない時代、ましてホームページもない状況であり、無名なのは当然でした。私が入門するより三年ほど前、後に兄弟子になる井手先生(当時はまだ井手先生は大学生)とお会いして天心流を知りましたが、新陰流の分流と言われても聞いたこともない流儀という感じでした。
入門から数年経って気づいたのですが、その頃私が持っていた図説・日本武道辞典にも、実は天心流に関しては撃剣叢談の引用が僅かながら載っていました。


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私が入門後、一年掛かりで天心先生を説得し、私がテンプレートをいじってホームページを自作公開し、Twitter(現X)公式アカウント作成、YouTubeへの動画投稿を開始、他にInstagram、Facebook、比較的最近ではTikTokなどSNSでの広報を必死で行って来ました。

 「知られていないというのは、存在しないのと同じこと」だからです。

稽古も広報も楽しくやって来ましたが、実際には苦労の連続でしたが、そうした長年の苦労が報われて、今ではトータルフォロワー150万人という状況です。
しかし同時に、知名度に伴い妬んだアンチが盛んに攻撃を行って大変な被害に遭ってもいます。

また、天心流で広めた知識で、天心流を叩くアンチが出ているのも昨今の非常に面白い現象です。
刀の置き方など、天心流で広報活動初期から伝えていましたが、その情報の聞きかじり、伝聞を使って間違った批判してくるという現象が国内外で見られるようになりました。
以前あった話では、まーこ先生に対して、「刀の握り方がなっていない」という御高説を賜ったため、まーこ先生が「ではどのような手の内が正しいのかご教授下さい」と返答したところ、天心流の手の内の解説写真が送られてきたという笑い話があります。

さて、2015年当時はまだまだ知名度は高いとは言えませんでしたが、それでも古武術界隈では勢いのある流儀としてそれなりに知られるようになっていました。

そんなおりに、門人の知人経由で「将来、確実に無関係な人が商標を取得する冒認出願(ぼうにんしゅつがん)が起こる」と指摘を受けて商標を出願、平成27年10月30日にこれが認められました。
(今もお金はないですが、当時はもっと無かったので門人有志によるカンパで賄いました)

別に商標で商売が出来るわけでもないのですが、もし冒認出願がなされると私達の活動が阻害され、また取り消しにも膨大な時間を弄することになります。

アンチの中には、あの有名な天心流を騙っている!とわけの分からない中傷をしてくる人もいますが、天然理心流とかと勘違いされているのか、そうでなければ私達が獲得した知名度で、私達を中傷するという意味不明な行為が起きていますから、早めの対策していて良かったと思います。

なお天心流という名称は様々な流儀、分野で同名が使用されています。
流儀としては無関係ですが、他の同名異流の天心流が先に商標登録されており、単なる「天心流」ないしは「天心流兵法」では登録が難しいとのことでしたので、流儀の特徴として流れが明瞭な「江戸柳生天心流兵法」として登録させていただきました。

重要なことは、関西伝は既に廃れ、関東の石井家伝のみ伝わっているのが、現状明瞭な中で、同流を騙る詐称が活動することです。(もし本当に継承されていた別系統が存在するなら、それはとても喜ばしいことですが)
これは昔からある流儀が知名度を獲得すると、必ず相乗りを図るというのがお決まりでしたので、そういった活動を未然に防ぐという意味で、兵法と言えるでしょう。

こうした商標問題は大変根が深く、ルイ・ヴィトンが日本の仏具店の数珠袋の市松模様を商標権侵害として警告したというニュースも話題になりました。

Yahooニュース

武術界隈でも商標は定期的に問題となって、裁判沙汰となることもあります。
うちのように、他の流れが途絶し、かつ急な知名度の獲得で冒認出願のリスクがあるということでもない限りは、本来的には不要と言えます。
そもそも商標で儲かるわけでもありません。
しかし天心流に粘着するアンチが貴重な人生の時間を費やして妨害活動に勤しむように、活動の邪魔をするためだけに身銭を切るという無敵の人がいつ現れるとも分かりませんから、法律(商標法)がある以上、今後、多くの伝統武術が避けては通れない道なのかもしれません。

以前のブログに書いた通り、多年の活動実績があり、それは既得権として認められるのではないかと考えていたのですが、既得権が認められるのは、日本国民全員が認知しているレベルの話だそうで、今でも到底既得権が及ぶとは言えない状況です。
そういう意味では既得権が認められる古流はおそらく存在しないと思われます。

天心流も古武術も、日本、そして世界にその存在を正しく認知していただけるように、今後ともますます邁進せねばと思っています。
残念なことに、武術界隈では、どっちが強い、あれはまがい物というような、見るに耐えないネット論説が主流で、ますます人をこの未知から遠ざけています。

これは別の記事で詳しく書きますが、セミナーや演武で海外に行く機会が多く、また多くの異国の方々に入門していただき強く思ったのが、道徳の輸出です。

もちろんそれぞれ国が違えば文化が異なるものですが、しかしやはり日本を日本たらしめる根幹は徳育にあると私は見出しました。
それぞれの国、皆さん素晴らしい人々です。
しかし日本人独特の気遣い、思いやりに根ざした行動、また環境、社会そのものを自らと同一化して捉えるような美意識が、この社会を下支えしており、それが日本を住みやすい素晴らしい国にしてきたのだと痛感しています。
行き過ぎた個人主義が日本でも問題になっており、個人主義を大事する天心流でも、見直しの時期が来ていると感じています。
そして輸出、教化(きょうか)以前に、足元である日本において、武術界隈がいつまでも他者を見下し、貶し、憎み合っている現状では、ますますニッチ化していくことは間違いないと思います。

 

鍬海政雲




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