稽古納め(年末年始の道場文化)

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2024年も終わりが近づき、天心流も各稽古場で最後の練習を迎えています。

古武術を含む日本の伝統芸能などでは、一年の最後の練習を「稽古納め」と呼びます。

日本では、始まりと終わりが重要だからか、一年の最初と最後の稽古には特別な名前が付けられています。

新年の最初の練習は「稽古始め」または「初稽古」と呼ばれます。

また、日本の年末の風物詩として大掃除がありますが、道場でも行われていました。

この大掃除は、往時は煤払い、煤掃(すすはき)と呼ばれました。
ロウソクや灯明皿(菜種油)に由来する煤を払う如く、家中をきれいにすることから、年末の大掃除を煤払いと呼んだようです。
武家も庶民も12月13日(旧暦)に行われ(江戸時代初期の江戸城では12月20日)、面白いことに煤払いが終わると、胴上げを行ったそうです。

江戸時代の煤払い後の胴上げ。理由や由来は不明。

江戸時代の文献ではまだ確認できてませんが、現代では胴上げによる悲惨な事故(死亡事故含む)が多々起きているので、もし行う場合は十分に注意してください。

道場でも、昔は煤払いなど行っていましたが、現代では多くの流儀が自前の道場を持っていないため、あまり行われなくなりました。

年明けの行事として稽古始めの際に鏡開き(かがみびらき)が行われていました。

これは鏡餅(かがみもち)を降ろして、それを割り(「切る」という言葉は切腹を連想させるため避けます)、皆で分け食べる儀式です。

お雑煮などで食されたりします。
私が昔通っていた道場では、お汁粉にしていました。

参加者は神の力が込められていると信じられているお餅を食べることで、これからの一年の健康と幸福を祈ります。

そんなわけで今回は年末年始の道場文化について簡単にご紹介しました。
それくらい誰でも知っているわ!という方もいらっしゃるかと思いますが、こういった年中行事も廃れ、特に若い方はなんとなくしか知らないという人も増えています。

現在では、とっても貧乏な天心流ですので無理ですが、将来的には専有道場を作って、こういった行事ごとも行っていきたいと思っています。

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