ご挨拶 ー 第九世 中村 天心 ー

今日、数多の古流が存在しますが、天心流はその中でも異(い)なる流儀です。
天心流は当流遠祖であり、柳営大目付け宗矩公配下の士林団をそのルーツとしています。
城士の剣として、昔時のままに武家作法、礼法を伝え教え、間合を重んじつゝ、大小白扇にて多々の技法があります。
舘内入室は昔時の如く、武家作法に則った屋敷における殿中刀法、又使者の作法も伝えています。

諸国大名家により戦国の世も乱れましたが、天下治まり徳川の世となりました。

宗矩公は家康公、秀忠公、家光公に仕えて大役を授かり、柳営の裏方にて士道を確立しました。
それは正に生きた兵法をルーツとしたものです。

士林団は五代将軍綱吉公、六代将軍家宣公の治世には平和の中でその姿を消しましたが、八代吉宗公の世に大岡越前守が町火消にイロハ四十七の各組を作った所にも天心流、江戸柳生兵術の名残があると伝えられます。
士林団も伊(い)組・回(ろ)組・波(は)組・仁(に)組・保(ほ)組と(「へ」は欠番)イロハにて組み分けされて、それぞれ十名ほどで構成されていました。
町火消の組の名はそこからヒントを得たと言われます。

幕末から明治の廃刀令、又大正昭和の激動の中で多くの流儀、また他の伝系が失伝していく中で、当流当伝系は伝承を途絶えず、昔時の如くに伝えています。
私は親の意に逆いて武芸で身を立てようという志を先師に認められ、また先師の指示通りに他流習い事や趣味など全て絶って修練許されました。
それからおよそ半世紀、私自身も当時の先師のように老体となり、跡目譲りました。
インターネット等の文明の力の中で、流名の存在も世間に知られる事が出来ました。
流儀とは末の世に師の術という流れを伝える事です。
伝説に近い刀術も多々存在の流儀です。
当流に修業をと志す方はまず、寛永の世の頃の武芸を体験して下さい。
入門された後には是非これを習得して後世の橋渡し役になって欲しいと思います。

天心流兵法老師 第九世 中村 天心

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